2017-09

2013年1月 冬の南アルプス塩見岳登山報告

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〈三伏山より塩見岳  photo:木村〉
 
南アルプスの山は、遠かった

 今回のメンバーを含めOB数名は、2011年、蝶が岳、2012は、常念岳を同じ時期に登ろうと行ったが何れも途中敗退、やっぱりこの歳でしかも、一発で冬の3000m級の山を登るのは、欲を掻いているのかとも思い始めていた。
現役の頃のように練習を積むこともなく、日ごろの生活で精進するわけでも無く、登れれば儲けもの、いい年をして事故を起こすのだけは絶対にかっこが悪いからやめようと言う暗黙のルールを守ってやってきて今回やっとキリストかお釈迦様かどちらかが「いいだろう」と許してくれたような登頂成功だった。
 本当に塩見岳は遠かった。何名かのメンバーは、遠いからと参加を断念した。年齢の為か三伏峠から目の前に見える塩見岳が歩けど歩けど近づかない。その時に初めてこれが南アルプスなのかということに気づいた。

参加者
木村 正一   66歳
岩佐 元春   65歳
渋谷 佳行   63歳
米田 義輝   62歳
村上 欣三   68歳

2013年
1月11日(金)  晴

千里中央             6:30   発
大鹿村 「山塩館」       11:00~11:20
塩川林道ゲート駐車場    11:50~12:15
塩川土場(塩川小屋)     12:50
三伏峠への取り付き(泊)   15:00

 千里中央に全員集合し、車一台に乗り込み、名神道から中央道を走り、松川インターを降り大鹿村塩鹿温泉「山塩館」により計画書を出し、連絡所をお願いする。
 当初は、「鳥倉林道」コースを予定していたが昨日「塩川林道」を登山者が下ってきたと言う情報を聞いたので「塩川林道」コースに変える。
 ダム取水口まで殆ど雪は無く、取水口付近で路面の雪を見る。ゲートの駐車場まで無事車で入ることが出来る。雲一無いと言う快晴の元、テント、食料を詰めて久しぶりに「ずっしり」としたザックを背に林道を出発する。米田は、「アラスカ」で覚えた「そり」を引き林道を進む。
 やっぱり「塩川林道」の崩壊は、酷い。役場が歩行も止めたい気持がわからなくも無いぐらい上部から崩れている。
 砂防ダムの下まで林道が続く。後は、正月に降った雪に付けられたトレースの残る山道を忠実に辿る。時々沢を歩き、3箇所ほど朽ちかけた丸木橋を渡ると沢筋から数段上がった、すでに沢の音も聞こえない三伏峠への尾根の取り付きに着いた。
 これまた、久しぶりの「雪中幕営」をやる。

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1月12日  (土)   晴

取り付きテント場       6:15 発
三伏峠             10:30~11:15
本谷山直下テント場     13:10

 4:00起床が、眠っておれず起きだすメンバーも現れる。これもシニアパティーの特徴か?ゆっくり朝食、準備をし、一応ヘッドランプを付けて出発する。
 三伏峠への道も正月に降った雪の後に付けられたトレース、殆ど夏道を忠実に辿る。急登に次ぐ急登でうんざりするが焦らずゆっくりゆっくり休まず歩を進める。今回からは、年齢を考えて45分~50分を「ワンピッチ」にする。今日も抜けるような青空が広がる。4ピッチ半登りだけの道を詰めると三伏峠、立派な小屋がある。
 目の前には、塩見岳の岩山が見える。天気は快晴、「今回は、いたただき」と言う気持になる。しかし後で考えると三伏峠から見る塩見岳に「圧迫感」のようなものが無かった。山から暫く離れていた為か、南アルプスという条件なのか予想より遠かったのである。
 テント、食料を担いでの登りオンリーは、効いた。三伏峠を過ぎるとピッチが落ちた。本谷山に向っては、若干雪が多く、時々膝下ぐらい沈むトレースも出てくる。
 少々早いが、撤収のことも考えて本谷山直下でテントを張ることにする。塩見岳は、相変わらず目の前に見える。まだ、雲ひとつ無い快晴にデジタルカメラのシャッターを押す。明日も天気が続きそうだし、目の前に塩見岳があるという安堵感からみんな「しんどい」が余裕がある。しきりに写真教室が開かれる。昨晩に続き「米田シェフ」の料理が続く。(食料は別表を参照)

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1月13日  (日)    晴れのち曇り

テント場          6:30 発
塩見小屋         9:20
塩見岳頂上       11:05~11:25
塩見小屋         12:20
テント場          15:00

 昨夜も満天の星空だったので予想通り、本日も雲一つ無い快晴。今日は、明るくなってから出発する。本谷山頂上付近7:00ごろに塩見岳の右端あたりから日が出てくる。

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 本谷山を下り、権右衛門山をトラバース気味に登るところが予想に反し長い、時々夏道を外れたトレースは藪に捉まる。
 塩見小屋直下のピークにストックをデポし、ピッケルに替え、天狗岳、塩見岳西峰、東峰へ向う。塩見小屋から見る塩見岳は圧倒されるし風も強くなってくる。三つの岩峰どアルペン的だ。しかし黄色の目印とトレースを辿っていけば頂上に着く。天気がよかったのでロープを出すこともなく登れた。

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しかし「しんど」かった。テント場からは、すぐそこに塩見岳は見えていたのに行けども行けども樹林帯が抜けない時は焦った。これが南アルプス山なのかもしれない。
 頂上は、狭い。景色は、最高だ。富士山がどっかと裾野を広げて上から下まで目の前に見える。反対側には、中央アルプスの白い峰が見え、乗鞍岳、北アルプスの峰峰が白く小さく続く。久しぶりに頂上の冬の景色をゆっくり楽しむ。

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 下りは、気をつけつつゆっくりと下る。下りも特にロープを出すことも無く下れた。塩見小屋を過ぎるとテントまでの長い長い下りで最後は、完全に飽きてしまった。

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 テントに着くといよいよ天気は、下り坂か?薄い雲が立ち込めてきた。それでも夜は、よく見れば星が確認できた。



1月14日  (月)      雪

テント場               7:00
三伏峠                9:00
取り付きテント場跡       11:30
塩川小屋             13:25
ゲート駐車場           14:10~14:30
取水口               14:40~16:00
沢井                 17:00
山塩館               17:30

 昨日の朝とは、一転し雪が舞っている。テント場では降っているのか風で舞っている分らなっかたがテントを畳み「山塩館」のビールと料理を楽しみに下山を始める。
 トレースは、雪の上に僅かに残っているのを踏み外さないようにゆっくりと進む。と言いつつもやっぱり時々踏み外したりトレースを逸れてしまう。しかし、雪は新雪で軽い、昨年常念岳でのラッセルに比べるとなんと軽いことか。登ってきた道を雪に埋まったトレースを探しつつ下る。雪がつき登りよりも楽なところもあった。
 雪は、まさに下に下りれば降りるほど深々と降る。林道に出る少し手前では、危なく新雪雪崩に巻き込まれかける、ほんの一瞬で免れる。林道の大きな崩壊の部分は、一人一人先のものが見張りをしながら渡った。
 みんなバテバテで駐車場に着く。車の前後を除雪し、バックすると車道に簡単に出られた。荷物をまとめ車に乗り、ほっとして下りだすと取水口の横でデブリに乗り上げ立ち往生する。仕方なくスコップで除雪を始める。なんとか5m程下の大きな岩の下まで下ろがまだ先にデブリがあるので今日は、ここにおいて旅館に歩いて行き次の手を考えることにする。
 着替えを持ち歩いて下山していると「山塩館」の若主人が迎えに上がってきてくれていた。そこから30分あるいて何とか軽四トラックに乗れ旅館に着いた。
 塩温泉に入り、ビールと鯉料理に舌鼓をうち、四日ぶりの暖かい布団で寝た。

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1月15日 (火)   晴

 色々考えたがもう一日予備日があるので様子を見ようとなる。そして、いつものように「じっとしていても仕方が無いので」となり、旅館の除雪車をお借りして自己脱出を試みることにする。ほぼ上手くいけば儲けものでやってみる。一晩ゆっくり寝たとはいえ、バテバテで除雪を進める。2kmの除雪なんとかなり,夕方には車を沢井までおろすことが出来た。長年みんな山登りをやってきたがこんなことは、初めてであったがやれば出来るものだと変に自信をつけた。米田曰く「山以外でもどんな課題でも克服する団結力に乾杯」だそうです。
 もう一晩「山塩館」の温泉と美酒、料理に酔い楽しい山行を終えました。

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1月16日  (水)   晴

 これだけ苦労すればすんなり大阪に帰れると思いきや最後は、名神道彦根~八日市間事故のため通行止めに巻き込まれ3時間のロスを強いられました。
記 岩佐


2013年 1月11日~1月14日 塩見岳食料
食料担当 米田
塩見岳食料s 

登山を終えて
 

木村 正一 

 塩見岳冬山合宿は南アルプスの奥深さを十分感じさせられました。本谷山直下のテントから塩見岳アタックの行程は塩見小屋手前までの潅木帯の工程にはうんざりさせられるが、小屋から上部の天狗岩、西峰、東峰への登行は景色も良く最高のアタック日和となった。

また、米田シェフの料理に堪能させられました。

 今回、下山後、車まで来ると林道の一部が雪崩により通行できなくなっており、報告書にも記述されていますが、山塩館のご主人の暖かい人情に触れることが出来ました。



岩佐 元春
 
 記録に何回も書いたが「しんどかった」というのが感想。登山は、しんどかったら面白く無いと言うのを私は、最近のモットーにしている。「しんどく」ないように週三回、5kmほどを45分ぐらいかけて走っている。これが残念ながら「屁の役にもたたない」気がした。デジタルカメラで「動画」を撮ろうと持参し、幾らか回したが手ブレが酷く「ハアーハアー」と言う苦しそうな呼吸音、見るに耐えない作品ばかりだった。それだけ今回の塩見岳は、大きな山だったのかもしれない。
 好天に恵まれ、今まで見たことも無いような雄大な山の姿を拝めたのもこの「しんどさ」を耐えたからなのだろうか?次回は、もうちょっと上手く考えて「しんどく」ないように余裕で登りたいものだ。

村上 欣三

 当初予定していた塩見岳登山メンバーが、徐々に減り、最終的には5名になった。私以外のメンバーは、皆強そうなので一番先にバテるのは「自分」かな?という不安。一方、荷物を必要最小限に抑え、テントも一つにし、無駄をなくし、万全の体制で臨む。昨年および一昨年の常念岳、蝶ヶ岳の登頂断念のリベンジへの期待。
この二つの感情が入り混じっての入山であった。塩川からの尾根は、急登で息が上がったが、正月から降雪がなく、トレースが残っていたので、ラッセルが不要で低速ではあったが、着実に高度を稼げた。本谷山少し手前にテントを張り、お腹の具合の悪いメンバーが居るものの皆元気。明日の晴天を祈りつつ、早目に寝袋に入った。
今日も晴天で期待が膨らむが、本谷山を越えて、権右衛門山を巻く。塩見小屋はまだ先だ、、、遠い。南アルプスはひとつ一つの山が大きいのか、思いのほか時間がかかる。小屋の屋根を見ながら、天狗岩の下に出るも、塩見岳のピークはまだ遠い。岩交じりの登りやトラバスを何度も繰り返していたら、突然頂上に「登頂!」リベンジ成功。三年振りの登頂であり、皆で握手を交わし、祝いあった。大きな富士山も祝福してくれていた。下りもザイルを出すこともなかったが、ペースはあまり上がることなく、テントに戻るまで9時間ほどを要した。
 最終日は昨夜からの風に加えて、雪も混ざってきたが、どうにかうっすらと残ったトレースを頼りに三伏峠へ向かう。そこから疲れた身体に鞭打って樹林帯を一気に下山し、車までたどり着き、ホッとする。しかし、降雪とデブリのため、車は50mほどしか進めない。デブリを削って安全な所に車を移動しただけで、2時間程かかり、着替えのみ持ち出して宿を目指した。この大雪の結果、秘境の宿、山塩館に2泊することとなった。
待っていても状況は変わらず、不可能と思いながら5名で6時間をかけ2kmの林道をラッセルし、車を下ろした。
今回の登山は天気と頼もしいメンバーに恵まれ、厳冬期に3000mのピークを踏むことが出来ただけでも満足であったが、珍しい料理と酒、色々なことが経験出来、メンバー全員に感謝しています。
                                                                                      
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コメント

お疲れ様でした。

凄いですね。

まだまだ、冬山に行かれているんですね。

頭下がります。

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